事故車でも高額買取の可能性あり
古い車は下取りに出す前に自動車買取に査定してもらえば、下取り金額よりも好条件で売れる可能性は高いでしょう。廃車するしかないような旧式の車ですら値段がつくことがほとんどです。
でも自動車買取の魅力はそれだけではありません。なんと事故車でもOKなのです。常識的な感覚では、見るも無残に破損した事故車を好んで買う人なんていないように思えますね。そんな車を見ると修理するより買い替える方が早いと思うことでしょう。それが自動車買取ならそれなりの査定額で買い取ってもらえるのです。しかもその査定額は思ったよりも高額だったりします。
なぜそんな事故車でも買取が可能なのか、またそんな車を買い取ってどうするのか、不思議なものです。素人の目には価値のない鉄くずにしか見えないような車でも、それをあえて買取る納得の理由がそこにはあるのです。
誰が買うの?こんな車
走行距離は2万㎞ほど、5年落ち程度
正面から何かに衝突した様子。
バンパーはもちろん、フロントパネル全体が大破、ヘッドライトも当然のことながら破損。ボンネットも歪み、破損はエンジンルームにまで及んでいます。
今の自動車は搭乗者を守るため、フロント全体がクッション的役割を果たすように作られています。人名に関わるほどの大事故でなくてもフロント全体が無残な状態に破損するのはよくあることです。そうなると破損の影響は前輪にまで及んでいます。
このようなひどい状態でも10万円~15万円で買い取られた例があります。
走行距離は5万㎞ほど、10年落ち程度
右斜め前からの衝突。フロント全体と前輪部分が破損。修理代の見積もりが高く、年式もかなり古いことから廃車する予定だった車です。
本来なら廃車費用がかかってしまうはずでしたが、6万円で買い取られた例があります。
走行距離1.5万㎞ほど、3年落ち程度
正面と側面が損傷した軽自動車を修理してから査定。
買取価格が25万円。
事故車でも年式が新しいほど条件は良いでしょう。
なぜ事故車を買い取るのか
一見するとどうしようもない粗大ごみに見える事故車。そんなに価値があるのでしょうか。
中古車市場はグローバルの時代
買取られた自動車は日本国内の中古車市場に出回るとは限りません。海外市場の場合にはその国々の事情や独特の需要があって、日本国内とは大きく違う中古車市場を形成しています。新興国の中には安価で動く車なら取り急ぎ欲しいという需要もあります。日本国内では価値のないほどの旧年式でも、大きく破損した車を修理したものだとしても価値があるわけです。
オークションもグローバルの時代
中古車はオークションで売買されることがよくあります。このオークションも世界各国のバイヤーがそれぞれの価値基準で金額を査定するので、日本国内に流通する中古車の価値とは別の査定額があり得るわけです。
修理用パーツ
年式が古くても、また他の部分がどれほど破損していても修理用のパーツとしての価値があります。世界中に中古車が販売され使用されており、それらもまた故障することがありますが、パーツが手に入らないと修理できません。したがって修理用のパーツとしての需要も決して侮れないわけです。修理用パーツとして価値が高い車種もあります。
そもそも事故車とは何?
事故車とはそもそもどういう車のことでしょう。はっきりとした規定があるのでしょうか。
事故に遭遇した車は事故車なのか?
事故車という言葉から交通事故を起こした車というイメージがありますが、事故の被害にあった方の車はどうなのか?等の疑問も残ります。
実は事故に遭遇したかどうかは事故車と規定する決定要因ではありません。事故に合ってなくても事故車になりえます。
業界団体によって定められている
自動車関連の団体、財団法人日本自動車査定協会、社団法人自動車公正取引委員会、日本中古車自動車販売商工組合連合会によってどのような車が事故車に相当するのか定められています。
それによると、自動車の骨格に相当する部分を修理した場合と定められています。つまり修理歴がありその修理箇所によっては事故車と定めるということです。事故があったかどうかも関係なく加害者か被害者かも関係ありません。
事故車買取の査定と注意点
具体的に事故車の買取を依頼するにも査定はどうなるのか、手続きはどうなるのか等、気になることがいろいろあります。
気になる査定額は
車種 走行距離 年式が同じなら当然のことながら事故車の方がその分、査定額は低くなります。買取後にその車を修理して販売するなら、その修理にかかる費用の分だけさらに買い取り額が下がります。
あらかじめ修理したうえで買取の査定を依頼した場合でも、事故車には変わりないため、およその目安として査定は5万円から10万円程度は低くなると思ってよいでしょう。修理をしていない場合は、修理にかかる金額がそこからさらに差し引かれることになります。
ただし、修理をしてから買取の査定をしてもらうのは一般に損することが多いのです。買取業者が修理をするのと車のオーナー個人が修理をするのでは修理費用が違います。修理をせずに買取業者に任せた方が、修理すべきかどうかも含めて適切な判断をしてもらえるケースが多いでしょう。修理をする必要がある場合でも修理代が安い。つまり、事故車はありのまま見せて査定してもらった方が得ということです。
もし車両保険がおりる場合でも、保険金だけ受け取って修理をせずに、査定や買取を依頼する方がお得となるわけです。
自動車買取に依頼するなら、どんな状態の車でも自分で修理をしない方が有利だと覚えておきましょう。
ただし、破損していない部分の内装や外装をきれいにしておく、例えば小さい傷など、市販品での傷対策くらいならやっておいて損はありません。場合によっては1万円程度、それで査定額が変わる可能性もあります。
まだ車のローンが残っている
事故で車が大破!修理をする気にもならないので買取を頼みたいけれど、その車のローンが終わってない。そんなケースもありそうです。
ローンが終わっていない車の場合は、基本的に売買ができません。本来ならばローン残高を完済してしまえば売買が可能になるのですが、自動車買取に依頼する場合、買取額でローン残高を完済できるなら問題なしということになります。
事故車であることを隠して売れば?
自動車を売買する時には、事故車であるならその旨を明示する義務があります。したがってそれを隠して売ろうとするのはお勧めできません。
事故車と認定される修理箇所は自動車の骨格部分です。うまくわからないように修理できたとしても見抜くのは簡単で、まずばれてしまいます。問題は事故車であることを隠していたことから不審に思える車には、警戒した査定とならざるを得ないことです。査定額がさらに低く見積もられる可能性があり、決して得にはなりません。
自動車買取業者は、事故車の価値にも精通しています。ですからわざわざ隠す必要もありません。
廃車しか選択肢がない車でも
年式があまりに古い、損傷がひどい、本来なら廃車するしか方法がなかった車に買取金額が査定される時代です。廃車するには費用がかかり手続きも必要です。
車を下取りに出したことはある、売ったことはある、しかしほとんどの人が廃車した経験はないでしょう。具体的にどうすれば廃車が完了するのか知っている人もほとんどいないでしょう。
廃車するような車では誰も得しないはずなのですが、それが売れて事業として成り立つ時代です。
このような自動車買取サービスの存在を知らずに費用と手間をかけて、古い車や事故車を廃車したらかなりの金額の損失となるでしょう。
どんな状態の車でもダメだと決めつけずに買取査定を依頼してみるべきでしょう。
買取査定は複数の業者に
事故車だと足元を見られて買い叩かれるのではないか?相場に詳しくないので心配だとの気持ちは当然です。
だからと言って事故車であることを隠したりするよりも、むしろ複数の自動車買取業者に査定してもらうことが金額アップにつながります。業者によって得意・苦手も違いますし、当然のことながら査定金額が違います。
査定の申し込みはそれそれの業者のWEBサイト上から簡単にできますし、複数の業者の査定を一括して得られるサービスもあります。
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